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[UM邸]築50年以上の民家再生

思い切った発想で明るく暖かいバリアフリーの空間が実現
LDK坪庭工房のある家事室床暖房


◆父の思い出を残すため改築に決めた
  
側に居間と座敷。北側に増改築が繰り返されたDK。全体が暗くて寒くて湿気っぽい。
   柱や梁、床や天井や壁を残しながら壊すというのは新築よりも手間がかかります。
   それでもお爺ちゃんが手作りで改装を重ねてきた思い出を少しでも残したい、という家族の想いから改築するという結論に達しました。

◆南側にキッチンを置いた逆転の発想
   昼間一番過ごす時間の多いキッチンとリビングを南側に配置しました。一番暗くて寒かった空間が、一番明るくて暖かい空間になりました。
   天井を剥いで昔の梁や柱を現し,天井を高くして断熱もしっかりしたので、床暖房のあるタイル敷きのLDKは、夏は涼しく冬は暖かい快適な空間になりました。

◆バリアフリーな住宅に
   内部はバリアフリーに。日本家屋は床が高いため、玄関のたたきとの段差をなるべく小さくする工夫をしました。

◆引きこもりを防ぐ子供部屋に
   子供部屋の引き戸(障子)の出入り口は、来客時以外普段は開け放しで鍵はついていない。
   開放的な子供部屋は親の目もいきとどくし、風通しがいい。

   男の子の部屋にはお父さんのパソコンスペースが同居していて、お父さんとのコミュニケーションも密になる。

◆古材も再利用
  床柱、鴨居、欄間、敷居・・・に新たな命を吹き込んで甦らせました。
  大工さんの暖かい協力の賜物です!

◆収納はたっぷりと機能的に
  キッチン、リビング、玄関、納戸、それぞれの収納はシンプルであり、機能的であり、しかも収納量抜群です!

◆坪庭を囲んだLDK、和室、浴室、玄関ホール

  北側の部屋は坪庭を取り込んで明るくなりました。
  お風呂の窓からは坪庭の杉皮を張った外壁と八角窓が臨めます。
  和室にも庭が出来ました。
  玄関ホール突き当りが坪庭なんて素敵でしょ?

  


天井を外したら、50年前の丸太がとてもきれいです。
少し茶色に染めたらアクセントになりました。
なるべく廃材を出さないように 敷居や鴨居も再利用しました。
床は大判のタイル張り。
もちろん床暖房をしています。
そのため、吹き抜けも寒くなく、夏は涼しいそうです。
センターキッチンなので家族がお料理に参加できます。


手摺を付け、たたきからの段差を極力小さくしました。
障子の中は収納力大のシューズクローゼット。


古材を再利用して欄間にしました。
障子の中は子供部屋とお父さんのパソコンスペース。


関の式台を上がると畳敷きの廊下になります


幅が80センチメートルある引き出しは
戸棚に比べ収納量は格段に多い!
完全スライドなのですべての食器がよく見えます。


センターキッチンのため、壁面が全部収納になります。


坪庭の壁は、杉皮貼り。


坪庭からの柔らかな外光が和室に趣を。

浴室はユニットバスなのでそれ自体は特徴がありませんが、
坪庭に面して窓があります。
向こうに見えるのは、リビングの八角窓。

廃材になるところの鴨居を4本合体させて立派な柱ができました。


改築前


キッチン
北側で暗く冬は寒い


玄関
段差が大きく暗い

茶の間

北側で暗く冬はコタツが必需品

子供部屋
南側で明るいけれど気が散って落ち着かない


風呂
北側で暗くて寒くて湿っぽい


座敷
普段は使わないのに一番いい場所にある

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